久しぶりの投稿(特別研修受講レポート 札幌 司法書士)
皆様、ご無沙汰しております。司法書士の竹本海雅(たけもとかいま)です。
最近更新が滞っておりました。というのも私は昨年の司法書士試験に合格し現在に至っています。そんな新人研修にとって一番過酷な研修を受けておりました。それは「特別研修」というものでございます。特別研修というのは、司法書士が簡易裁判所の訴訟代理権を獲得するために必要となる研修であり、俗に「100時間研修」とも言われております。100時間の研修を1カ月で受けることからそのように呼ばれております。
この特別研修は大きく分けて「基礎講義」「グループ研修」「ゼミナール」「実務研修(裁判傍聴)」「模擬裁判」の5つに分かれております。
この中で「基礎講義」はネットで受けることが出来ますので比較的楽です。ただし、受講期限が決まっておりますので、それまでに見終えておく必要がございます。
そして、裁判傍聴は裁判所にもよりますが大体お昼ごろから夕方まで、簡易裁判所管轄の事件を傍聴します。これは事件の内容によっては数分で終わってしまうものもありますが、その場合は引率の先生との座談会と化すので比較的楽しい研修です。
残りの3つがメインとなっております。基本的に特別研修は、5月下旬から6月下旬までの土日を使って受けるのですが、これ、予習がまず必須なんですよね。特にグループ研修はチューターの先生が情け容赦なく当ててくるので、答えれなかったときのプレッシャーは半端ないですね。なので予習は必須です。最低でも項目ごとの事件の概要や、各項目についている設問くらいは検討しておけば大丈夫です。あと、グループ研修の時間で訴状や答弁書等の起案をしていくので、予習しておかないとグループのメンバーに負担をかけることにもなるのが、予習が必要たるゆえんです。
「ゼミナール」は弁護士の方がグループ研修で検討した事件について解説してくださるのですが、これがまさに朝から晩までかかります。朝は10時から出ゆとりがあるのですが、終わるのは17時ぐらいです。個人的にはこれが一番大変でしたね。予習も当然必要です。弁護士先生からたくさん質問されます。答えれなかったときの怖さはチューターの先生の数倍ございます。さらに、先ほど述べた訴状などの講評もしていただきます。場合によってはなかなか手厳しいコメントも、、
個人的に一番楽しかったのは「模擬裁判」でした。これは、受講生が一堂に会して研修を受けるのですが、今までがZOOMでの研修だっただけに一緒に研修を受けている感じがして一体感を感じました。
模擬裁判は架空の事件を題材に原告・被告側に分かれて、事件検討・起案・尋問をしていきます。事件検討・起案はグループ研修(集合形式となっております)で行うのですが、研修中に、1つ1つの項目を検討しながら、それを準備書面にどう落とし込んでいくのかをそれぞれの受講生が自らの見解を述べながら議論を繰り広げていくんですよね。この光景を見ると、「やっぱりこの人たちは司法書士試験を突破した人なんだなぁ」と思えますよ。きっと。
この模擬裁判は18時くらいまでかかりますし、カロリーが高いものとなっておりますが、それだけ濃い時間を過ごすことが出来ます。例のごとく弁護士の先生から好評をいただく時間もあります。ここでもなかなか手厳しいお言葉を頂くこともあるのですが、それだけ訴訟の世界は奥深いものであることを痛感する研修となっております。思いやり故に厳しくなるんですよね、きっと。何故なら実際の訴訟では当事者の人生を左右することになるのですから。
ここまで、特別研修のことを話してきました。
最後に結びの言葉として。この研修は前半は正直楽だったと思います。勿論予習は必須ですし、課題も研修中に提出しないといけないので、限られた時間の中で起案していかなかったりと大変な部分もあるのですが、オンライン研修ですので、正直言って、開始時間ぎりぎりまで寝ることもできました(笑)一方で、後半の集合研修は会場まで行かないといけないので、その分朝は平日と変わらない時間に起きないといけないですし、内容もハードなものになっていきます。なのに、やはり時間は限られておりますので、より効率的に議論をしていかないと何処かで詰めの甘さが出てきたりするんですよね。そこを弁護士先生に突かれて、気まずかったりするが、それも研修をハードなものにさせる所以だろうと思います。
それでも、やっぱり楽しいのは集合研修です。同期と再会して、実務のことやプライベートな事等、研修が終わってから飲みに出かけることが出来るのも、やっぱり集合研修の魅力だろうと思います。それだけ、人と会うというのは、人の人生幸福度を上げるのだろうと思います。
集合研修の最終日は、ある意味卒業式でもあります。それは、この研修を終えて初めて、新人司法書士としてのキャリアを進める足掛かりになるのだろうと思うからです。終わった瞬間は安堵感とこれまでの疲れで、同期も比較的静かでしたが、やっぱり達成感や安堵感を感じているのではないと思います。
この研修を通じて、仲良くなった同期もできました。苦楽を共にする同期というのは、それだけ貴重なものであり、仲間なのだろうと感じます。
ここまで、長く書いてきましたが、それだけこの研修はハードであり、課題も多く時間的拘束も大きいです。しかし、その分達成感も大きいですし、同期との絆も深まる研修となっております。
今年の司法書士試験まで残りわずかですね。今頃不安でいっぱいな方が大半だと思いますが、合格したらそんな苦楽を共にしてくれる仲間が出来ます。弥陀見ぬ未来の同期と出会えることを1つの励みとして、最後まで試験を受け切ってほしいと思います。
今回は、ここまで。また次回のブログでお会いしましょう。